築80年の木造住宅も

愛着をもってお手入れをする

古い木造住宅の町並み

お手入れさえしていれば木造でも100年近く住むことができます。

木造住宅の寿命が30年というのは間違いだと先ほど説明しましたし、鉄筋住宅にも負けない耐用年数を誇ることも理解していただけたでしょう。 実際にお手入れを欠かさないでメンテナンスもしていれば80年以上もそのまま大きなリフォームをせずに、朽ちることなく建ち続ける建物もあります。 この80年というのもおおげさな誇張ではなく、木材本来の性能を計算しても至極妥当な耐用年数になるのです。 住宅の骨組みに使われる木材はそれなりの太さと強度を備えておりますし、腐食させたりしなければなかなか頼れる大黒柱となってくれるでしょう。 建てっぱなしのままなんの手入れもしないようではそこまで長持ちはしませんが、それは住宅でなくても同じことが言えるかもしれません。 自動車だって新車で購入してから一度も車検を受けずに、部品交換もエンジンオイルの交換もサボっていたらどこかしらに不具合が生じてきます。 タイヤが磨り減ってパンクもするでしょうし、ワイパーのゴムが調子悪くなってキュッキュキュッキュ煩いメロディーを奏でるようになります。 エンジンオイルが漏れ出したらそこを塞いでオイルを補充したりと、メンテナンスを欠かさずにすることが長く乗り続ける秘訣になります。 日本においては数年ごとに車検を受けることが義務付けられているのでそれを遵守していればあまりにひどいことにはなりませんが、ユーザー車検で検査に合格するための最低限のメンテナンスしか行わないようだと、10年もせずに走行中にトラブルに見舞われる可能性が高くなるかもしれません。 整備工場やディーラーでしっかりと整備してもらっていればそうしたトラブルとは無縁で15年以上安心して走行できる丈夫な日本車でも、劣化していく部品はあるので定期的に整備・点検をして必要ならば消耗品の交換をしないと寿命が短くなってしまうのです。 住宅も同じで湿気や乾燥の事を気にしたり、シロアリなどの害虫対策をせずにのうのうと暮らしているとどんどん劣化してしまうのです。 その速度は鉄筋住宅よりも木造住宅の方が早い感じがしますし、しっかりとお手入れをしていかなければ寿命は速やかにやってくるでしょう。 ですが必要なメンテナンスを手を抜かずにしていれば、木造住宅でも100年の耐用年数があるという話なのです。 ちょっと探せば本当にそれをウリにしている新築の木造住宅もみつかりますし、寿命が短いというデマに騙されている人が多いのは嘆かわしいかぎりです。 ただし古い住宅だと今ほどの技術もなかったでしょうし、100年もの耐用年数は期待できないかもしれません。戦後の資材も入手が難しい頃に建てられたのならそれも仕方がありません。 ですがここ最近に新築されたのなら100年以上の耐用年数も期待できるので、かなりリーズナブルなお買い物になるでしょう。 しかし何度も言いますがそれだけの長期間住むつもりならメンテナンスを欠かしてはいけませんので、それだけはキモに銘じておいて下さい。 湿気にやられて腐ってしまったりシロアリに食い荒らされても放置しているようだと、真の力を発揮することなく30年ほどで寿命となってしまうでしょう。 もしもこれから注文住宅を建てようとしているのなら耐用年数はどれくらいになるか、そのためにはどんなメンテナンスをするべきかを聞いてみるといいでしょう。 きっとかなり強気とも思える年数を言うでしょうし、あなたがやるべきことを丁寧に教えてくれると期待できます。 それはとっても有益な情報ですのできちんとメモをとり、あとからいつでも確認できるようパソコンに打ち込んでおくといいでしょう。 人はけっこう忘れっぽい生き物ですし、数十年も続くお手入れですので子孫に受け継ぐことにもなると予想されるので、印刷して保存したりデジタルのデータとして保存すると安心なのです。